今からおよそ1700年前、エジプトのアレキサンドリアという小さな村に、アポローニアという名前の、
とても美しい歯をした心のやさしい少女がいました。
アポローニアは、自然や動物がだい好きで草花をかわいがり、小さな動物たちをとてもだいじにしていました。
ある日のことでした。アポローニアが住んでいる平和な村にも、最近ローマ帝国になったばかりの、
 王デギウスの兵士たちが押し寄せてきました。
王が広めている他の宗教を信じていた村の人たち、そしてアポローニアまでもとらえられお城に連れていきました。

ある日、かわいそうにアポローニアは処刑場に引き出されてしまいました。
王の命令にしたがわないからと兵士に歯をぬくことを命じました。………･………。
天国に召されたアポーロニアの話は、歯の神さま（聖女＝せいじょ）として人々に伝わりました。
歯が痛いときや腫れたら教会やお墓にお参りして、そこを押さえてアポローニアを３回唱（とな）えると治ったといいます。